前作の密室本に引き続き、本作はアリバイ崩しがテーマの中編。やっぱりこのくらいの長さがこの作者には合ってるんだろうな。
敢えて苦手(本人談)なアリバイ崩しものを2作目に持ってくることによって、シリーズ全体の構図を明かす辺り、作者の意気込みが感じられる。あとがきなんかじゃなく、作中でもう少し明言してくれればもっと良かったのに。
まあとにかく内容だが、今回もきちんと纏められている。メインのネタもまあまあだし、なにより冒頭の密室バリエーションが面白い。イメージ的につい最近読んだクビキリサイクルと被るのだが、こっちの方が完成度は上。下手に引っ張らず、あっさりと種明かしする切り捨て具合の良さが気持ちよい。
そして前回の『入学案内パンフレット』に続いてまた出た、おまけアイテム『学生証』。凝った栞かと思ってたら痛い目見た。次からは絶対に用心することを肝に誓おう。キャラ紹介ページもね(2度もやられると悔しい)。
うう、6月が待ち遠しい。
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