The New Legend of Momotaro



新桃太郎伝説 やり込みプレイ日記
序文〜やり込みについて〜
目標
用語・システム
参考文献
第1回 旅立ちの村〜おむすびころりん
 BATTLE 01 きんたん仙人
 BATTLE 02 ジグモ/ツチグモ/両鉄

第2回 松葉山
 BATTLE 03 雷鬼/馬鬼
 BATTLE 04 餓鬼

第3回 花咲かの村〜音無しの洞窟
 BATTLE 05 ばっかんき&さとりわっぱ
 BATTLE 06 天賊鬼

第4回 仙人庵巡り
 BATTLE 07 鹿角仙人
第5回 浦島の村〜竜宮城
 BATTLE 08 怪鬼&魅鬼&魃鬼
 BATTLE 09 竜宮城雑魚連戦

第6回 金太郎の村(パラレル)
 BATTLE 10 竜燈鬼

第7回 静かの村 new!
 BATTLE 11 臥龍

impression home



第4回 仙人庵巡り

1:どくけし庵2:オニよけ庵
3:ひえんの塔4:鹿角の里
BATTLE07 鹿角仙人

 ついに金太郎の村へと辿り着いた桃太郎。すわここにもカルラの魔の手が? ――と思いきや、村は平和な様子。村祭りを控え、村人はみな、やけに忙しそうです。話しかけても相手にしてくれません。ぬあー旅人に冷たい住民だ。これぞ閉鎖社会! 隣人に愛を!

 ううむ。そういえばなんだかおかしいぞ。爺婆や若い女はいるのに、子供と男勢が見当たりません。なによりバックに流れる音楽が短調です(メタ的認識)。

 肝心の金太郎の姿もないし、怪しんだ桃太郎は北の金山へと足を運びます。と、そこに待ち構える婆さん。必死の形相で叫びます。

桃太郎さん! わかってくだされ! この村には鬼なんかいないんじゃ ほかの村へ行ってくだせー!

 そこまで言われちゃ仕方がありません。

 桃太郎は素直に村を出ることにしました。あ、その前に装備だけは整えないとね。兵具屋兵具屋。


体力攻撃守備早さ
桃太郎6419 8061 271259
装備
 
 
 
瓦割りの刀(攻32)
麻糸の胴(守12)
はちまき(守3)
キツネの足袋(守8)
かくれみの×4
竹の水筒×2
きびだんご×2

 

 ついでに道具も見繕おうと茶店に行くと、銀次がいました。前回無視されたことにショックを受けているのか、なんだか寂しそうです。しきりに「金山が怪しい」「一緒に金山へ向かいましょう」と桃太郎をデートに誘ってきます。

 やれやれ。銀次、お前は婆さんの気持ちがわかってない。

 どんな事情があるにせよ、人の嫌がることをしてはいけません。

 桃太郎が旅に出ようとすると、路傍の地蔵まで「村人の言葉の裏を読むのじゃ!」などと世迷い言を宣っています。ええい、しつこい。このエリアには楽しみにしている観光名所が沢山あるんだよ。平和な村でぼやぼやしている場合じゃないでしょ。

 仕方なく桃太郎は「金山に行く」と銀次に嘘をついて、村から逃げ出しました。


 桃太郎にはなにか策があって逃げているのか?


 銀次は文句垂れながらも桃太郎を追い掛けてきます。金太郎の村の刃物屋で揃えた包丁を振り回して。


体力攻撃守備早さ
銀次50 2539 24409
装備
 
 
 
 
 
***
合出刃包丁(攻20)
骨切り包丁(攻40)
小そで着流し(守11)
はちまき(守3)
キツネの足袋(守8)
かくれみの×4
竹の水筒×3
天女のはごろも

 
 
 

 ふん。まあ勝手にするがいいさ。ただし、もう金輪際君に経験値はやらないぜ。今までは一人じゃ辛かったから君にも成長してもらっていたが、本来これは低レベルクリアだからな。いざというとき、君には意識を失ってもらう。経験値を得られないようになぁーッ!

 どうやら桃太郎、長旅で完全に精神が歪んでしまったようです。ヤツはクズだった!


 なにもない!
 見よ!
 このブザマなヒーローの姿を
 だが! だからといって桃太郎が
 この物語のヒーローの資格を失いはしない!
 なぜなら……


 桃太郎一行は北へ向かいます。ええと、確かこの辺に……あったあった。前からここ来たかったんだよ。

 そこはどくけし仙人の庵。仙人がスパルタ修行を施そうと鬼の形相で待ち構えています。

 ふん。望むところだぜ! 仙人と真っ向から対峙する桃太郎。

はっ! まさか桃太郎!」驚く銀次。

 そう。桃太郎が回りたかった観光名所とはすべて仙人の庵。桃太郎は低レベルで未熟な自分が凶悪な敵に打ち勝つために、敢えて血に飢えた仙人の前にその身を晒したのです。強力な術を携えれば、戦略性はよりアップすることでしょう。

 いくぜ! ひと思いにやってくれどくけし仙人!


 まぎれもないヒーロー!
 ヒーローの資格を失うとすれば
 戦う意志を桃太郎がなくした時だけなのだ!!



仙人庵巡り1:どくけし庵


 どくけし仙人は桃太郎の一太刀をひらりとかわすと、懐から怪しげな瓶を取り出します。

 ぬっ! まさか……あれは毒薬! 奴の武器は猛毒か!

 不敵に笑うどくけし仙人。瓶の蓋を開け、身構える桃太郎の前で、恐るべき速度でその毒を飲み干しました

「うぐぁ!」倒れ伏す仙人。呆気にとられる桃太郎。

 仙人は桃太郎に早く自分を背負うよう指示します。わけが分からず仙人を背負う桃太郎。仙人が庵の掛け軸を捲ると、そこには洞窟へと繋がる穴が

 というわけで、どくけし仙人の修行とは『彼の体力が尽きる前に桃太郎が彼を背負って洞窟の中から「毒消し」を探し出す』というものでした。修行の意図が掴めません。「毒消し」を渇望する心がどくけしの術を呼び覚ますのでしょうか?

 とにかく、桃太郎が一歩進むごとに仙人の体力が下がっていきます。回復アイテムやきんたんの術は通じないので、洞窟奥のつづらまで最小歩数で進まなくてはならないようです。しかもつづら、複数あるし。

 まあこういうものは一番奥にあるつづらと相場が決まっているので、近場のつづらは無視して奥に進みます。ちなみに歩くたびに仙人が「早くしろ」「もう死ぬ」「すぐ死ぬ」「あの葉っぱが散ったとき……」などとうるさく声を掛けてきます。なんだこれ、忍耐力の修行か?

 何度か試したところ、歩数を節約すれば仙人にはつづら2つ取れるくらいの体力があることがわかったので、余裕があれば2つ取っておきましょう。外れのつづらにはそれほど良いアイテムは入っていませんが、修行終了後にもらえます。

 というわけで、よくわからないうちにどくけし仙人の修行、クリア! これで毒を食らってもたちどころにリムーブできます。



仙人庵巡り2:オニよけ庵


 どくけし仙人の庵からさらに北、橋を渡って森を抜け、山沿いに東へ進んだ場所にひっそりと仙人の庵が佇んでいます。それがオニよけ仙人の庵です。

 まずはそこへ辿り着くのが一苦労。「かくれみの」と銀次の盾を駆使して凌ぎます。といっても銀次は防御しているだけですが。「かばう」と攻撃が分散されないのですぐ戦闘不能になるんですよね。一戦闘ごとに「竹の水筒」で回復しながら、ようやく辿り着いた庵。例によって仙人が待ち構えています。

 オニよけの術は一定歩数の間、自分より弱い敵に出会わなくなる術。要するにトヘロスなんですけど、オニよけの場合は「弱い敵」の定義がより明確で、それ即ち「一度でも倒したことのある敵」です。つまりたとえば赤鬼を一体でも倒していれば、この術ひとつで赤鬼を含む敵パーティを完全にシャットアウトできるわけです。便利ですね。

 え、でも低レベルクリア挑戦中の桃太郎では雑魚敵を倒さないから意味ないのではって? いえいえ、このゲームには「ものども、かかれ!」という強制雑魚戦闘システムが備わっているのですよ。よって後半にはそれなりに役立つ術になるのです。

 さて、それでは修行です。今度こそ桃太郎は臨戦態勢。端で見守る銀次が戦慄するくらいの気迫です。

 対する仙人は不敵に笑い、ゆらりと立ち上がります。そしておもむろに庵の掛け軸を捲ると、そこには裏庭へと繋がる穴が!

 ……またかよ。

 はい。オニよけの修行は、『裏庭に生えた大きな木まで敵に出会うことなく辿り着く』というものでした。それって修行か?

 そろそろと木へ向かって歩く桃太郎。数歩であっさりエンカウント。赤鬼でた! オニよけ! オニよけ!

 失敗です。再びチャレンジ。そろそろ。エンカウント。赤鬼

 懲りずに三度チャレンジ。とろとろ。エンカウント。赤鬼

 うがー! なにか意味あるんですかこの修行?

 10数回の飽くなきチャレンジの果てに、ようやく木に辿り着くことができました。プレイヤーの精神を疲弊させるよい苦行だ。

 もうこの庵には用はないとばかりにさっさと飛び出します。



一休み:すずめのお宿2


 オニよけ仙人の庵からやはり山沿いに南下する桃太郎一行。敵の厳しい猛攻をかわしつつ、森の奥深くへ侵入していきます。

 と、視界の先に明かりが。どうやらすずめのお宿があるようです。とりあえずここでいったん休憩しましょう。

 ここは冒険前半最大の難所、大江山へと続く旅路の中継地点となる宿で、いろいろと興味深い情報が飛び交っています。まあまだ先の話なので話半分に聞きながら、今後の戦略を練る桃太郎。

 ここからさらに南下すると、まよけ仙人の庵があります。しかし、まよけ仙人の修行は厳しいことで有名。苦境には慣れっこの桃太郎ですが、今度という今度ばかりは熟考を余儀なくさせられます。

 なぜならその修行内容とは『ノヅチを50匹退治する』こと。ノヅチとは道中に出てくる妖怪で、1匹の経験値が68もあります。68×50=3400もの経験値をここで得なくてはならないのは低レベルクリアにとって致命的イベント。残念ですが、この修行はスルーするより他ありません。さらばまよけ仙人。今回の旅ではあなたの出番はありません。目標を達成した暁に、改めて修行に伺うということでお許し下さい。まあその頃にはあなたの庵は海の底に沈んでますけどね!(超ネタバレ)

 ということで。桃太郎の次の目標は北東の橋を渡った先の、ひえんの塔に決定しました。橋を渡ると敵が2レベルくらい強くなるので、お宿で装備を整え直します。


体力攻撃守備早さ
桃太郎6419 8064 271259
装備
 
 
 
瓦割りの刀(攻32)
竹の胴(守15)
はちまき(守3)
キツネの足袋(守8)
かくれみの
竹の水筒×2
きびだんご×2
 

体力攻撃守備早さ
銀次50 2539 24409
装備
 
 
 
***
小そで着流し(守11)
はちまき(守3)
キツネの足袋(守8)
かくれみの×4
竹の水筒
天女のはごろも
元気の玉×2

 この先、「かくれみの」は必須になるため、もし足りない場合は「天女のはごろも」で金太郎の村まで補充に戻ります。


「天女のはごろも」

 値段:茶店などで160両

 効果:一回使い切りアイテム。一度行ったことのある村や宿ならばどこにでも舞い戻れる。
 直前にセーブした場所へ戻る「はごろも」の強化版アイテムだが、実はセーブポイントの充実した新桃においては「はごろも」の方がなにかと便利だったりする。



仙人庵巡り3:ひえんの塔


 目指すは天の仙人の住むひえんの塔です。この道程は半端じゃありません。あんみょうの群れに出くわさないよう祈りながら駆け抜けます。途中に二つほど地蔵菩薩があるのでそこでセーブしつつ円を描くように湾を回り込みます。

 ひえんの塔が視界に入っても急いで駆け込まず、その手前の山中にある地蔵菩薩に必ず立ち寄ってセーブしておきます。さらに「天女のはごろも」が無ければここの旅商人から買っておきましょう。

 天の仙人は数ある仙人の代表格だけあってか、立派な塔に住んでいます。いなづま仙人なんて洞穴に庵を構えているというのに、この格差はなんなのかと問い詰めたい。いつか仙人たちのメッカ、神仙郷を訪れることがあれば、そこんとこ聞いてみたいものです。

 とにかく塔を昇っていくと、天の仙人が寛いでいます。ふかふかの絨毯や色とりどりの反物、金ピカの仏像など、高価な品々に囲まれた優雅な暮らしぶり。やれやれ、仮に仙人ともあろう者がこの贅沢ですよ。こいつ、絶対霞なんか食ってないよ。シャーベット食いまくってるよ。大体いなづま仙人なんて(略)

 まあいい。いつか俺も豪華な自分の城を建ててやるぜ。桃太郎は固く心に誓うのでした。

 そんなことはさておき修行修行。ひえんはファミコン版でもお馴染み、空を駆け抜けて行ったことのある村や宿へと舞い戻れる、RPG的に重要な術です。これさえ身に付けておけば「天女のはごろも」は必要ありません。

 仙人の話によると、ひえんの術は極意の記された巻物を読むだけで体得できるとのこと。そりゃ便利じゃないですか。さすがインテリは違うね。だいたい一人相伝とか口頭伝承なんてもう古いんですよ。そういうことに拘ってるから、洞穴なんかに籠もるハメになるんだよ。

 さっきと言ってることがかなり違う桃太郎です。

 ともかくあんた偉いよ天の仙人。じゃ早速巻物を拝借……と手を伸ばす桃太郎を裏切るかのように、巻物をぽーいと放り投げる仙人。

 仙人パワーで巻物は空の彼方に消え失せました。

 ちょ。何をするダァー!

 ふほほこれが修行じゃ、と笑う仙人。どうやら世界のどこかへ飛ばされた巻物を見付けて来いということのようです。

 ちょっと待ってくださいよ仙人。もし仮にあの巻物が鬼ヶ島とかに飛ばされていたら、いきなりラスダンに突撃じゃないですか。殺生な。

 まあ仙人も酷いと思ったのか巻物の落ちた場所を一瞬だけ千里眼で見せてくれました。どうやらどこかの村に飛ばされたようです。でもそれ以上のヒントはnothing。

 くううこれでその場所がサルカニの村とかだったら絶対ぶちのめしてやる、とぼやきながら、桃太郎は「天女のはごろも」で心当たりのある村へと飛びます。ええと、まずは旅立ちの村だ!

 ビンゴでした。村は隕石が落ちたとかなんとか大騒ぎになっています。いや、江戸時代に隕石はないでしょうがなにか落ちたと。神社の方へ落ちたというので、神社付近をくまなく探すと、見付けましたよ巻物。

 ようし早速これを読んでひえんの術を身に付けてやる、と巻物を開くと、でっかく

遊んどらんで早く戻ってこんかい!

 と書かれていました。くあーダミー渡しやがったなあのじじい! 桃太郎は旅立ちの村で「はごろも」を買い込んで、即座に先程セーブした地蔵菩薩へと舞い戻ります。

 塔を駆け上り、仙人に詰め寄ると、しぶしぶひえんの術を伝授してくれました。なんでもパワーアップしたひえんは月までもかっ飛んでいけるとのこと。ふらーみとぅざーむーん、あれみっしーふぉればーもー!

 まあ月まで行くのはまだ先のこと。とりあえず金太郎の村へとそらひえーん!



仙人庵巡り4:鹿角の里


 強行軍だった花と木の国の仙人庵巡りもいよいよ最後になります。金太郎の村の南西にある半島の先、老練たる御隠居、鹿角仙人の庵です。

 ファミコン版の頃から鹿角には随分とお世話になったものです。正に桃太郎の戦術の基本にして極み、駆け引きの要となる最重要術。この術が他と違うのは、桃太郎のレベルに合わせて効果が強力になっていくと同時に、消費技数も上がっていくというところ。どれほど経験を積もうとも打てる回数の変わらない、奥義と呼ぶに相応しい術と言えましょう。

 久しぶりに訪れたそこは、なんと梅の花咲き誇る小さな里に姿を変えていました。実に風情がありますね。どこかの成金仙人に見せてあげたいものです。

 鹿角仙人は桃太郎を快く迎えてくれました。なんでも日々鍛練を重ね、鹿角の術をより強力なものにブラッシュアップしてくれていたとのこと。なんと今度の鹿角は複数の敵全体に効果があるのです。これは是非とも身に付けてゆかねば!

 勿論のこと、仙人の修行は小細工なしの真っ向勝負です。掛け軸なんか捲ったりしません。


BATTLE 07 鹿角仙人


体力攻撃守備早さ
鹿角仙人20857 60108 32
鹿角


体力攻撃守備早さ
桃太郎6419 8064 271259
装備
 
 
 
瓦割りの刀(攻32)
竹の胴(守15)
はちまき(守3)
キツネの足袋(守8)
竹の水筒×2
きびだんご×6
 
 

 いいですねえこのガチ勝負な雰囲気。気分は天狗の修行を受ける牛若丸です。桃太郎のくせに。

 鹿角仙人はもちろん鹿角を駆使して攻撃して来るので、それなりの対策が必要です。何しろまともに食らうと50P強、今の8割方の体力をもぎ取っていく術なので、闇雲に突っ込んで勝てる筈もありません。突くべきはやはりこの術の欠点でしょう。

 先述の通り、鹿角は技回復なしで打てる回数が決定されており、具体的にはMAXから3回しか使えない術です。それは仙人も同じことなので、この3回を如何に凌ぎきるかが勝負の分かれ目となります。そしてこれまた先述の通り、新桃ではすべてのダメージは防御で半減できます。

 よって、戦略はまず防御と回復を駆使して仙人に鹿角を打ち尽くさせること。修行ではお供のサポートを禁じられているため、手持ちの回復アイテム「きびだんご」ときんたんで対処します。鹿角が切れた瞬間から攻撃に転じ、あとはひたすら打ち合うのみ。こちらの回復手段が先に尽きなければ勝ちです。

 桃太郎が1本取ると、仙人は天晴れとばかりに術を授けてくれます。これで低レベルの桃太郎にも中盤のボス敵に勝つ見込みが出てきたわけですね。

 さあ、旅を急ぎましょう。桃太郎には休んでいる暇などないのです。鮮やかな梅の花のほのかな香りに元気づけられながら、桃太郎は次なる目的地、浦島の村へと向かうのです。


 鹿角仙人、桃太郎8段(心:1259)でクリア!


 ――え、金太郎の村? なにそれ?


次回、 陸・海・空の大立ち回り!の巻(→第5回へ to top




第5回 浦島の村〜竜宮城

BATTLE 08 怪鬼&魅鬼&魃鬼
BATTLE 09 竜宮城雑魚連戦

 ひえんの術ですずめのお宿2まで戻り、森を抜けてさらに南下、海が見えてきました。湾岸沿いをさらにカッ飛ばします。潮風を頬に受け裸足で駆けてく桃太郎。気分は悪くないけど連れが動物とスリってのが冴えませんね。

 そういえば本来もう一人、おかっぱで腹掛けしてまさかり担いで熊に乗ったような奴が付いてくる筈だったような気がしないでもないですが、野郎が増えてもむさ苦しいだけなのでオーライとしましょう。

 って、どうしてここまで金太郎の村を無視するのか読者の方々は不思議に思われるかもしれません。これは今回のトライにおける構造上の問題なのですね。そもそも松葉山以降から大江山までのイベントは、大陸同士を繋ぐ通路である音無しの洞窟と浦島の村クリア後にしか行けない竜宮城・静かの村以外、どの順番でも攻略できるようになっているんです。

 よって低経験値クリアを目指す今回のやり込みでは、攻略するイベントの順番によって難易度が大幅に変わってくるということになります。また、中ボスの最低レベル撃破を満たそうとすれば、どうしても複数のセーブデータを用いた同時並行的なプレイが必要になってきます。まあいろいろ考えているときりがないので、差し当たっての攻略ルートを、

 花咲かの村→音無しの洞窟→浦島の村→竜宮城→金太郎の村→静かの村→大江山

 という形に決めたというわけです。金太郎の村を後回しにしたのは、中ボスに辿り着くまでの雑魚敵で桃太郎のレベルが上がってしまい、中ボス連鎖によるレベル上昇の連続性が途切れてしまうのが惜しかったためです。

 まあそもそも花咲かの村を最初に入れている時点で最低レベル撃破としては失敗しているんですが、気付いたのがばっかんきを撃破したあとだったので仕方ありません。どの順番でも大江山に到達する時点ではパラメータは一緒になるので、今回のトライではとりあえず上記の形で先に進めます。いずれ、

音無しの洞窟→金太郎の村→花咲かの村以降
音無しの洞窟→浦島の村→花咲かの村以降

 の二つを試して完全版という形で決着を付けたいですね。

 閑話休題。

 もう過去なんか振り返るな。未来を見据えて生きていこうよ。

 そういえば浦島の村といえば竜宮城。竜宮城といえばマリンちゃん乙姫様なわけですよ! うら若き深海の女帝と揺らめく夏のバカンス。たまりませんな。はあはあ。早くもなんだか滾りだす桃太郎。かぐや姫というフィアンセがいるくせに、若さって罪ね。

 うおおお浦島の村が見えてきたぜ! みんな、走れー!(元気)

 勇んで村に駆け込む桃太郎。カメやーい! 俺を竜宮城へ連れてけー!

 と、そこに現れたのはカメならぬカルラ様。なんでも村で玉手箱とかいうものを見付けたそうです。

 っておい、ちょっと待て。それを開けてはなりませぬ!

 しかしそこは残虐非道のカルラ様。あっさり箱の蓋が開けられ、白い煙が辺りを覆う! もわわわん!

 たちどころに桃太郎と銀次は年寄りに。ひいいい俺のピチピチな肉体がぁ! ひからびちゃってるモンここのフルゥーツ! バナナが食えたモンじゃないんだってばぁぁぁぁぁ!

 「桃太郎さん嘆くのは早い」と銀次。確かこの村には若返りの泉があるはず!

 しかしそこは抜け目のないカルラ様(また)。前もって泉の水を枯らしていたのです。クキーこのガルーダ野郎! クチバシ! ひよこ!

 桃太郎はカルラをぶん殴ろうとしましたが、あっさり逃げられました。くう体の動きがヨボヨボだ!

 仕方なく桃太郎はよろよろと村の中心へ向かいます。浦島だ! 老化のエキスパート(なんだそれ?)浦島太郎ならなんとかしてくれるはず。

 ところが、村人から返ってきたのは絶望的な答えでした。なんと、浦島は天の仙人に呼ばれてひえんの塔へと旅立ったというのです。あんの道楽じじい、人のいい浦島をパシリにでも使う気だな! くそっ、携帯携帯。

 もしもし、仙人? ちょっと困るなあ浦島持ってっちゃ。こちとらカルラにやられてあんた以上にヨボヨボなんだよ。え、なに。浦島なんか呼んでない? きっとカルラの陰謀だって?

 浦島の奴、ちょっと目を離すとこれだよ。あんな鳥にコロっと騙されやがって!

 村人が若返りに効くという薬やら昆布やらくれますが、一向に効果は見られません。もう若くないとなると、乙姫様への情熱も湧いてきません。俺のロマンスを返せ!

 太極拳のような動きでは村の観光もままならず、待てど暮らせど浦島も戻ってきません。ええい待ってばかりいても仕方がない。若返りの泉の源泉である養老の滝まで行けば、僅かにでも水が残っているかも。

 桃太郎は決意し、兵具屋と茶店で装備を整えてから旅立ちます。


体力攻撃守備早さ
桃太郎6419 5649 271259老化
装備
 
 
 
岩切りの刀(攻40)
竹の胴(守15)
赤はちまき(守5)
シカの足袋(守13)
かくれみの×2
竹の水筒×2
仙人のかすみ×2

きびだんご

体力攻撃守備早さ
銀次50 30 24409老化
装備
 
 
 
***
小そで着流し(守11)
赤はちまき(守5)
シカの足袋(守13)
元気の玉×5
金のなる木
呪い消し

きびだんご

 浦島の村には強力な武具が整っているものの、老化現象のお陰で桃太郎たちの攻撃力と守備力は1にまで衰えているため、パーティは完全に弱体化してしまっています。足も遅いし、こんな状態で果たして養老の滝まで辿り着けるのか。不安が募ります。

 その上、この村の茶店には「かくれみの」はおろか、「はごろも」系のリターンアイテムすら売っていません。歩いて村を出ようにも周辺の敵に瞬殺されるのがオチ。どうやらイベントが終わるまでこの村から出さないという制作者のバイアスが掛けられているようです。

 この村に来る前にひえんの術を覚えておいて良かったですね桃太郎さん、と銀次。ふふふ。甘いね君は。こんなこともあろうかと、桃太郎は「かくれみの」ほか様々な消耗品をあらかじめといちやに預けておいたのでした。備えあれば憂いなし。

 で、といちやに立ち寄った桃太郎、見たことのないアイテムも一緒に引き取ってきました。それは「金のなる木」。花咲かの村をカルラの魔の手から救った際、村人からお礼にいただいた一品です。


「金のなる木」

 入手方法:イヌの「においかぐ」「とってこい」、敵のつづらなど

 効果:一回使い切りアイテム。戦闘中に使うと、その戦闘終了時に敵から得られる金が2倍になる。


 ゲーム開始早々に「崑崙の玉」を売って22500両を得てからこっち、殆ど収入もなく使うだけ使いまくってきた桃太郎一行、そろそろ資金不足が深刻な状態になってきたのです。ここらでばっと大金を得ておけば、今後の旅がぐっと楽になります。カルラの話を聞いたところでは、源泉を枯らした鬼は3人組とのこと。つまりどうせ中ボス3人分の懐からガッツリいただくなら、それをさらに2倍にしてしまおうという目論見なのです。こういう事態を見越してわざわざ「金のなる木」を温存していた桃太郎。ぬけめないじじいめ!

 とにかくアイテムも揃ったので出発――の前に一応神社へお参りして、と。

 浦島の村の神社には境内の隅にカウンターがあって、バイトのすずめがおみくじを売っています。一枚100両とぼったくりもいいところで、とても庶民が気軽に引けるものではありません。しかも引くとたいてい「大凶」が出て、技が半分に減ってしまいます。このおみくじ、今はまだ気にする必要はありませんが、一応記憶には留めておきましょう。

 さて、ではいよいよ出発。枯れた泉の沢筋を辿って、洞窟の奥へと突入していきます。

 洞窟に入ったら、まず「かくれみの」とオニよけの術を使っておきましょう。この先は桃太郎たちの弱体化に合わせるようにして赤鬼や青鬼といった序盤の鬼たちが登場するので、第1回での泣く泣くレベルアップで倒した赤鬼のいる敵パーティだけは回避することができます。まあその分出てくるのが他の強い敵ばかりになるので、敢えて使わないのも手ではありますが。もともとこの洞窟からの道程は敵とのエンカウント率が低く設定されているので、「かくれみの」とオニよけを駆使すれば殆ど敵に会わずに滝へと辿り着けるでしょう。

 しかし、運悪くアカムカデに出会ってしまうこともあります。ムカデ系は例によって呪いを掛けてきますが、毒と同じく二重に呪いが掛かることはないので、その場合はボス手前まで我慢してから「呪い消し」を使いましょう。

 洞窟を抜け、険しい岩山を登った先に、すっかり枯れてしまった養老の滝がありました。源泉には注連縄の張られた大岩が鎮座しており、その前にカルラ様が仁王の如く立ち尽くしています。やはり桃太郎が登ってくることを予想していたようですね。

 カルラ様が言うには、自分の配下になるなら若返りの水を掛けてくれるそうです。しかし古来よりこういった「世界の半分をお前にやろう」的な取り引きは相手の嘘っぱちと決まっているので、もちろん桃太郎は首を横に振ります。

 案の定、カルラ様は大して落胆もせず、鬼どもを差し向けてきます。卑怯にもじじい2人に対し、ジェットストリームアタックのように3体の鬼が飛びかかってきました!(筆者はジェットストリームアタックを理解していない!


BATTLE 08 怪鬼&魅鬼&魃鬼


体力攻撃守備早さ
怪鬼101150 6295 45680
大波

体力攻撃守備早さ
魅鬼148200 90 75580
まんきんたん

体力攻撃守備早さ
魃鬼196 9068 40675


体力攻撃守備早さ
桃太郎6419 5649 271259老化
装備
 
 
 
岩切りの刀(攻40)
竹の胴(守15)
赤はちまき(守5)
シカの足袋(守13)
竹の水筒×2
仙人のかすみ×2
きびだんご
 

体力攻撃守備早さ
銀次50 30 24409老化
装備
 
 
 
***
小そで着流し(守11)
赤はちまき(守5)
シカの足袋(守13)
元気の玉×5
金のなる木
きびだんご
 

 打撃・術攻撃・回復と息のあった連携を仕掛けてくる3体の鬼は、はっきり言って強敵です。闇雲に打ち掛かっても、1ターン目で全滅するのが関の山。よってこちらも先の先を見越した入念な戦略と連携が必要となってきます。

 とにかく「まず敵を知れ」の諺に倣って、奴等の攻撃パターンを学びましょう。

 ターンが始まると、まず3体の中で最も素早い魅鬼がまんきんたんの術で味方一人の体力を全回復します。続いて技に秀でた怪鬼が大波という全体攻撃術でこちらの体力を削り、最後に攻撃力の高い魃鬼が金棒で止めを刺しに来る、というのが最も標準的な戦略のようですね。魃鬼は大方にして桃太郎を狙ってきます。無論桃太郎が倒れればこちらは全滅なので、なんとしてもそれは防がなくてはなりません。というわけで。

1ターン目


2ターン目

 彼は隠し持っていた養老の滝の水を桃太郎たちに掛けてくれるので、ようやく桃太郎たちは本来の若さとパワーを取り戻します。ちょっと遅いがナイスサポートだぜ、浦島。

 そして、彼も一緒に戦うと言い放ち、パーティに参列します。初の3人パーティだ!(……金太郎アワレス) しかし浦島はいかんせん1段で、なぜか装備もなにも付けていない全裸状態。もうアホかと。お前それでどう加勢するつもりなのかと。


体力攻撃守備早さ
桃太郎6419 8871 271259
装備
 
 
 
岩切りの刀(攻40)
竹の胴(守15)
赤はちまき(守5)
シカの足袋(守13)
竹の水筒×2
仙人のかすみ×2
きびだんご
 

体力攻撃守備早さ
銀次50 2546 24409
装備
 
 
 
***
小そで着流し(守11)
赤はちまき(守5)
シカの足袋(守13)
元気の玉×5
きびだんご
 
 

体力攻撃守備早さ
浦島48 2710 14
装備なし

 その辺はあとでじっくり問い詰めるとして、仕切り直しの2ターン目。
 あくまでも桃太郎を死なせないことが先決です。魃鬼の攻撃が銀次や浦島に飛んできても回復はしません(ま、その場合確実に浦島は戦闘不能ですが)。


3ターン目

 こちらの回復手段は万全ではないため、徐々にダメージが蓄積されていきますが、もし3ターン目まで全員無事なら、この勝負はもらったようなものです。


4ターン目

 自分に対してまんきんたんを唱えることのない魅鬼はこれで確実に倒れますが、ここで重要なのは魅鬼の倒れるタイミング。

 システム解説の項でも説明しましたが、新桃では複数の敵と同時に戦っている場合、倒した敵の金と心はその時点でバンクされ、仮にその後逃げようが死のうが戦闘終了した際に加算されます。つまり、魅鬼が倒れた時点で生きている仲間全員に魅鬼の心が与えられることが決定します

 桃太郎以外の仲間があまり強くなってもつまらないので、このターン中に銀次と浦島には戦闘不能になってもらいましょう。
 銀次の行動順は桃太郎より早いためまず「きびだんご」が使われ、次に怪鬼の大波が来ますが、浦島は桃太郎を庇っているので大波を2回くらいます(笑)。いや笑い事じゃないが。これで浦島死亡。続いて蓄積ダメージのある銀次が大波に飲まれ死亡します。あ、死亡違う戦闘不能ね。

 生き残った桃太郎のダメージをキジが回復し、万全状態の桃太郎が鹿角を唱えて魅鬼撃破、このターンに魅鬼が回復したのが怪鬼であるなら次ターンの3発目の鹿角で敵全滅、そうでない場合も瀕死で生き残った魃鬼を桃太郎が次次ターンに叩いて終わりです。

 完璧な計画! 積み上げてきたっ… ここまでっ…

 しかし――思い通りにいかないのが人生。


 このまま素直にいくか……と思ったら、抗ってきた…!


 運命の4ターン目。なんとキジが存外に素早く動き、桃太郎ではなく銀次を回復しやがりました。銀次生存ッ!

 続いて桃太郎の鹿角が魅鬼を薙ぎ倒し、桃太郎と銀次が心獲得ッ! しかも魅鬼が最後に回復したのは丈夫な魃鬼でした。やられた……


 鬼だっ……! こいつ……やっぱり……!(その通りですが)

 だが……面白くなってきた。最悪で犠牲(リセット)は必要だが……「覚悟」が道を切り開く!


5ターン目

 怪鬼の大波連撃! 銀次戦闘不能! 魃鬼の攻撃! 桃太郎ダメージ! キジの攻撃! 攻撃するのかよ! 回復しろよ! 魃鬼に数ポイントダメージ! 桃太郎の鹿角! 怪鬼撃破! 魃鬼にダメージ! ターン終了!


6ターン目

 まずは魃鬼の一撃! 桃太郎瀕死! キジのきんたん! 桃太郎回復! 桃太郎の攻撃! 魃鬼にダメージ! ……まだ死なねえこいつ! ターン終了!


7ターン目

 魃鬼の一撃! 桃太郎瀕死! キジのまもり! まもりか! 桃太郎守備力アップ! でも次のターンで死亡確定! 桃太郎決死の攻撃! 魃鬼にダメージ!

 ――魃鬼をこらしめたっ!

 やりました。冷や冷やしましたが一応予定通り、桃太郎一人残してパーティ壊滅のまま戦闘終了です。

 ダラララとファンファーレが鳴り響き、桃太郎のレベルがどんどん上がります。まあ中ボス3体分ですからね。8段から一気に11段へ、3段アップです。

 心の合計は3174。……あれ? 11段に上がるために必要な心の数は確か……3173! うああ……あと2P低ければ10段止まりだったのに……これだから行き当たりばったりのやり込みは困るね。2Pくらいならおむすびころりんの頃のレベル上げで節約……できないか。1Pしかできないね、節約。むうどちらにしろ残念です。

 そして「金のなる木」の効果で得られた金は……2510両。一回の戦闘で得られる金額としては破格です。新桃世界で最も金持ちな三途の川のけんね翁だって1900両しか持っていませんからね。ま、これは貯金です。

 さて。問題は不必要な心を得てしまった銀次ですが……新桃ではいくら心を持っていても生きて戦闘終了を見届けない限りレベルは上がりません。つまり今戦闘不能状態の銀次のレベルは上がらないことになり、それはこのまま戦線復帰させても同様で、経験値のポテンシャルは有したまま低いレベルでいられるのです。これを利用します。

 つまり銀次は今後、2度と戦闘終了に立ち会うことは許されません。たとえ戦闘をぬけだしの術などで抜け出したところで、やはり戦闘終了と見なされレベルが上がってしまうため、常に戦闘不能でいるか、健康状態で戦闘突入し、ある程度サポートしてもらったあとに戦闘不能になってもらうか、どちらかです。

 そう。これが「覚悟」の意味!(おい) 銀次は自分の弾丸を身に受け続けるかの如く生きるのです。ビー・ストロング。強くあれ。

 細かい話として、これは低経験値クリアであり、レベルが低くとも余分な経験値を得た時点でアウトだろ、という考え方もありますが、やり込みの対象はあくまで桃太郎一人についてなので、仲間がいくら経験値を得ようとも大筋で反則はありません。仲間の低レベルはあくまで手応えを優先した要素です。

 よってセーフ!(そうか?)

 無論、もう一度養老の滝をやり直すことも考えたんですが、面倒臭いこれはこれで障害がひとつ増えたことになって面白いので継続することにします。あくまでエンタテインメント重視です。


 そういうわけで――怪鬼&魅鬼&魃鬼、桃太郎8段(心:1259)でクリア!


 桃太郎の一撃で吹き飛んだ3体の鬼が大岩にぶつかると、地鳴りがして岩の下から勢いよく水が飛び出してきました。鬼の呪縛から解放されたようですね。あっという間に養老の滝が復活です。

 ばさばさと飛んで逃げるカルラ様。「大江山で本気の相手をしてやる」と、「決勝で待つ」並みに格好良さげにも負け惜しみにも聞こえる捨て台詞を吐いて、北の山へと去っていきました。

 小さくなっていくカルラの影を眺めつつ、桃太郎と桃型生命維持カプセルに入った二人の仲間は沢の流れに乗ってドンブラコ、ドンブラコと流れていきます。

 流れの先にいたのは――お爺さん! お爺さんじゃないか!

 あれ、お婆さんは? 川に洗濯じゃなかったのかよ! 爺さん芝刈りはどうしたんだ!

 とデジャヴュに浸る桃太郎ですが、気を付けろ! そのお爺さんはただの若作りのじじいで、若返りの泉の管理人だ!

 ああびっくりした。心臓に悪いぜ。胸を撫で下ろしながら、平和になった村へと下りていく桃太郎の前に、カメが現れました。

 カメさんの言うことにゃ、竜宮城が鬼たちに襲撃されて乙姫様が危ないと。なにい、こうしちゃいられん!

 ちょうど浦島も銀次も冷凍保存中です。よーしパパ、今のうちに一人で竜宮城を救って乙姫様といちゃいちゃしちゃうぞー! 若返ったことだしな! とやる気満々桃太郎。ちょっとタクシー、じゃない亀を海辺で待たせて準備を整え、颯爽とその背中に乗り込みます。

モモたろう カメ南海大冒険
〜ぼく、桃太郎のなんなのさ〜

の始まり始まりー!


 ってなもんで。

 カメの背に揺られてあっさり竜宮城へと辿り着く桃太郎。世界が揺らめいて見えます。水の中でも息ができる世界観は楽で良いなあ。あ、カメくんありがとう。「きびだんご」をあげよう。「いりません。それ食べると強制的にお供にさせられるでしょ」ごもっとも。

 ともかく乙姫の元へと急ぐ桃太郎。竜宮の中は鬼でいっぱいです。周辺をたむろする鬼に話しかけると戦闘が起こるので無視しつつ、竜宮人から得た情報を元に奥の間へ。

 なんと、今まさに乙姫が鬼たちの集団に連れ去られる瞬間です。桃太郎はギリギリ間に合うタイミングの星の元に生まれているようです。

 乙姫様ー! 浦島を差しおいてこの桃太郎が助けに参りましたっ! ダンダン!


BATTLE 09 竜宮城雑魚連戦


体力攻撃守備早さ
食水餓鬼4440 74155 5784
まもり

体力攻撃守備早さ
赤鬼 13

体力攻撃守備早さ
牛鬼19 61150 2163

体力攻撃守備早さ
青鬼24 2015 12
特技

体力攻撃守備早さ
馬鬼35 3315 2510
特技 痛恨の一撃

体力攻撃守備早さ
雷鬼1810 1810 18
雷鳴

体力攻撃守備早さ
獄卒6860 7840 5590
特技 力ため


体力攻撃守備早さ
桃太郎117540 10383 313174
装備
 
 
 
岩切りの刀(攻40)
竹の胴(守15)
赤はちまき(守5)
シカの足袋(守13)
竹の水筒×2
きびだんご×6
 
 

 全部で17体もの鬼と戦うことになりますが、最初の食水餓鬼以外は雑魚もいいところなので心配無用。10段越えを果たした桃太郎の鉄拳が唸ります。

第1戦 食水餓鬼(心:84)

 食水餓鬼は守備力がやたら高い上にまもりの術を連発してきます。通常打撃は効かないのでさっさと鹿角連発でこらしめましょう。

第2戦 赤鬼×4(心合計:8)
第3戦 雷鬼×2&青鬼×2(心合計:28)
第4戦 馬鬼×3(心合計:30)

 悲しいほどの雑魚です。馬鬼の痛恨の一撃にだけ気を付けて殴り倒します。

第5戦 獄卒&牛鬼×2(心合計:216)

 初対面の敵共。みんなごつそうな体付きをしていますが、体力はそれほどないので鹿角一発です。

最終戦 雷鬼&馬鬼(心合計:18)

 さくっと倒します。


 思いの外あっさり片が付きました。お前らごときに命は取らん。どこへなりとも消えるがいい! 桃太郎の言葉に、蜘蛛の子を散らすように逃げていく鬼たち。指令系統のカルラがいないと、彼ら鬼軍も不甲斐ないものです。

 さて、乙姫様ご無事ですか? ちょうど狭い個室に二人きりでいることですし、命の恩人に対してなにかサービスとか期待しちゃってもいいのかなぁーなーんて思ったりしちゃったりなんかして!

 え、いい? いいすか? うわぉじゃあご期待に応えて必殺のルパン脱ぎをご披露! すぽーん!

 と、その時桃太郎は背後に気配を感じ、振り向く。瞬間、首筋に衝撃が走り、褌姿で床に倒れ伏してしまいます。

 ぐおお……い、意識が薄れて……いく……だ、誰だ貴様……

 桃太郎を冷たい視線で見下ろす人影。その漁師姿は――

 お……お前……は……う……ら……し……ま……

 ――フェイド・アウト。




 気がつくと、目の前を鯛やヒラメが舞い踊っていました。どうやらここは竜宮城の広間のようです。あれ、俺はいったいなにをしてたんだっけ……? 確か竜宮城を襲った鬼をこらしめて……浦島が……はっ、浦島?

 その浦島は、玉座の乙姫様となにやら真面目な話をしている様子。聞くともなしに聞いていると、どうやら竜宮城が襲われたのは、その昔、竜宮人と月の民に交流があったころの名残で造られた竜宮と月を繋ぐバイパスが城内に存在するのを鬼たちに知られたからのようです。

 月……つまりかぐや姫のいる月の宮殿へ行けるということか! 飛び起きる桃太郎。

 元はといえば、今回の桃太郎の旅が始まったのも、鬼たちに占拠された月の宮殿を救いに向かった桃太郎がそこにいた鬼たちの頭領、婆娑羅王の一人息子、ダイダ王子にこてんぱんに打ちのめされ、地球まで吹っ飛ばされたためでした。あのあと月の宮殿は、かぐや姫はどうなったのか。心配は尽きません。

 乙姫の話によると、竜宮バイパスで月の宮殿へ辿り着けるかどうかはわからないそうですが、少しでも宮殿に近づける可能性があるなら桃太郎に行動を躊躇する理由はありません。よし、次の目的地は月だ!

 竜宮人たちにお礼として沢山の魚をもらい、桃太郎たちはいったん浦島の村へ準備を整えに戻ります。不思議なことに竜宮人はみな浦島に感謝している様子。あれぇ、おっかしいなぁ。竜宮城を救ったのはこの桃太郎の筈じゃ……記憶がいまいちはっきりしない桃太郎を横目で見ながらにやりと笑う浦島。

 魚は食べることで僅かに技を回復させますが、桃太郎には「仙人のかすみ」がある上、やたら腐りやすいので無用の長物です。実はけっこう高値で取り引きされる代物なんですが、普通の茶店や兵具屋では取り扱っていない(当たり前ですが)ので、取扱店のある希望の都にいくときまで、といちやでフリーズドライで保存しておいてもらいましょう。こんな時にも便利なといちやです。

 さて、準備万端整えた桃太郎一行は再び竜宮城へ。城の地下にある蓮型のバイパスを通って月に向かいます。

 と、直前でなにやら躊躇し出す銀次。「高いところは苦手っす」とか言い出します。あんた一緒に松葉山とか登ったやん。ははあ、さてはかぐや姫に会いたくないんだな、と桃太郎はピンと来ます。ファミコン版に微妙な伏線があるのですが、まあその辺り知りたい人は攻略本を買って読んでもらうとして。

 とにかくあっしは行かねえ、とだだを捏ねる銀次。まあ仕方がありません。彼とはまたここで別れるしかないようです。まあどうせしばらく役に立たないので構いませんが

 銀次に見送られ、月へと旅立つ桃太郎と浦島。彼らの前途にはなにが待ち受けているのでしょうか?


 竜宮城雑魚連戦、桃太郎11段(心:3174〜3540)でクリア!


 次回、あなたの知らない世界……(→第6回へ to top



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